「マット運動は保育の何歳から取り入れていいの?」「指導案の狙いをどう書けばいいのか迷う」—保育園や幼稚園、認定こども園でよく聞かれる声です。
先に決めたいのは、動きの範囲と場の作り方です。
幼児期のマット運動は、小学校の器械運動とは位置づけが違います。国の指針でも、技の完成度ではなく多様な動きを遊びのなかで経験する段階とされています。
本記事では体操器具のプロであるフリージアスポーツが、マット運動を保育に取り入れるときの狙いの立て方と、年齢別の進め方・安全な場のつくり方を解説します。
保育のマット運動の位置づけと狙いの立て方
同じ「マット運動」でも、園と小学校では目的が違います。園の段階は技の完成を目指す時期ではないため、指導案の狙いも「できるようにする」とは別の形で立てます。
園で行うのは「器械運動」ではなく運動遊び
小学校の体育は、低学年が「器械・器具を使っての運動遊び」、中学年以降が「器械運動」という区分です。前転や後転を技として整えるのは中学年からで、園の段階はその前段にあたります。
文部科学省の幼児期運動指針も、幼児期を多様な動きを遊びのなかで経験する時期としています。マットの上の遊びは、転がる・移動する動きに集中します。
| 段階 | 位置づけ | 主に経験する動き | 狙いの置きどころ |
|---|---|---|---|
| 幼児期(3〜6歳) | 遊びを中心とした運動 | 寝ころぶ・起きる・回る・転がる・這う | 動きの種類を増やし、動きをなめらかにする |
| 小学校低学年 | 器械・器具を使っての運動遊び | マットを使った運動遊び | 基本的な動きを身に付ける |
| 小学校中学年以上 | 器械運動(マット運動) | 前転・後転などの技 | 技に取り組み、できるようにする |
技の系統ごとのマット選びを詳しく知りたい方はこちら↓
マット運動の種類とは?技の系統と目的に合ったマット選びを解説
狙いは「技ができる」ではなく体を動かす姿に置く
3歳以上の園児(以上児)の領域「健康」には「自分の体を十分に動かし、進んで運動しようとする」が示されています。狙いは「前転ができる」ではなく、体を動かそうとする姿に置きます。
内容の取扱いには「多様な動きを経験する中で、体の動きを調整する」、内容には「危険な遊び方が分かり、安全に気を付けて行動する」もあります。順番を待つ約束も、そのまま狙いになります。
年齢別に見るマット運動の進め方の目安

マットは0歳児から使える用具ですが、年齢によって任せられる動きの範囲は変わります。3歳未満は柔らかい床として使い、3歳以上で転がる動きに広げるのが目安です。
3歳未満の園児(未満児)のマットは「柔らかい床」として使い、低い傾斜を這って登る・転がって降りるまでが範囲です。回転は首や背中に負担がかかるため、未満児のクラスで前転を促すことは避けます。
| 年齢 | 指針が示す発達の特徴 | マットでの活動の目安 | 環境づくりの要点 |
|---|---|---|---|
| 0歳児 | はう、立つ、歩くなど十分に体を動かす | 柔らかい床の上で寝返り・はいはい | マットは1枚で使い、手を添えられる距離で見守る |
| 1〜2歳児 | 走る、跳ぶ、登る、押す、引っ張る | 低い傾斜を這って登る・転がって降りる | 傾斜は低く、マットのすき間をつくらない |
| 3歳児 | 基本的な動作が一通りできるようになる | ころころ転がる・くま歩きなど単発の動き | 同じ動きを繰り返せる時間と待ち場所 |
| 4〜5歳児 | 動きが定着し、組み合わせた動きに取り組む | 動きをつなげたコース、補助つきの回転 | 進行方向を一方向に固定し、待つ列を分ける |
3歳以上児で必要なのは、新しい技より同じ動きを繰り返せる時間です。年齢とともに足すのは技の難易度ではなく、動きの数と場の複雑さです。
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学校で使う体操マットの選び方|安全性・耐久性・管理面のポイント
保育でマット運動を安全に行う場のつくり方とマット選び
マット活動でのケガは、動きよりも場の条件から生まれます。隙間・余白・点検の3点と、使うマットを選ぶ条件を順に見ていきます。

隙間を作らず、余白と待つ場所を先に決める
2枚以上並べると境目にすき間ができ、活動中にずれて開きます。転がる動きは進行方向が見えないため、手足が入るとひねりにつながります。
マットの外側に大人1歩分の余白と、待つ列の位置を活動の前に決めておきます。壁や棚の角が近ければ、転がらない向きに置き直します。
年齢の混在を避け、使う前の点検を日課にする
異年齢では体格差が衝突の強さに直結します。教育・保育要領も一人一人の発達の過程を把握するよう示しており、年齢の違う子が同時に動く形は避けます。
点検で見るのは表面の破れ、縫い目のほつれ、中材のへたり、匂いです。へたりは見た目に出ないため、踏んだ沈み方で判断します。
厚さと寸法は動きと保育室の広さから決める
厚いほど安全とはかぎりません。厚すぎると足元が沈み、くま歩きのような支える動きがやりにくくなります。厚さは守りたい高さからの落下と、その上で行う動きの両方から決めます。
寸法は「マット+余白+待つ列」で必要な面積から逆算します。毎日出し入れするなら、二つ折りで立てて収納できるかも見ます。厚さや寸法は製品ごとに異なるため、導入前の確認が必要です。
種類・サイズ・厚さの選び方で迷っている方はこちら↓
体操教室のマット選びガイド|種類・サイズ・厚さで失敗しないためのポイント
幼稚園/保育園のマット環境づくりならフリージアスポーツにご相談ください
広さが足りない、未満児と幼児で同じマットを使わざるをえない、古いマットを買い替えるか迷っている—園の条件は施設ごとに違い、カタログだけでは判断しきれません。
用途・対象年齢・使える広さをお聞きし、厚さと寸法の候補をご提案しています。既製品が部屋に収まらない場合はサイズを変えてお作りでき、メーカーを問わず修理も承っています。
【こんな方におすすめ】
- 既製品の寸法が保育室に収まらない方
- 対象年齢が幅広く、どの厚さを選ぶべきか迷っている方
- 古くなったマットを買い替えるか修理するか判断できない方
マット運動と保育に関するよくある質問
幼稚園/保育園からよくいただく質問を3つまとめました。
Q1. マット運動は何歳から取り入れられますか?
A.0歳児から取り入れられます。ただし柔らかい床として使う形にとどめ、回転を伴う技は未満児では行いません。
Q2. 部屋が狭くてもマット運動は取り入れられますか?
A.動きの種類を絞れば取り入れられます。外側の余白と待つ列を確保できない広さでは、転がる動きは避け、くま歩きに限定します。
Q3. 前転(でんぐり返し)は教えてもよいのでしょうか?
A.園の段階では「できるようにする」ことが目標には置かれていません。行う場合は大人が補助に入る形にとどめます。
まとめ|保育のマット運動は「技」より「動きの経験」から組み立てる

幼児期のマット運動は、小学校の器械運動の前段にあたる運動遊びです。狙いは技の完成ではなく、進んで体を動かそうとする姿に置きます。
安全は厚さだけでなく、すき間・余白・待つ場所という場のつくり方で決まります。まずは部屋の余白を測り直してみてください。
フリージアスポーツではお客様のご要望をお聞きし、”最も適した”商品をご提案いたします。どんなことでも構いません!まずはぜひご相談ください。
\ フリージアスポーツおすすめの保育向けマットアイテム /
保育室の広さと動きの内容に合わせてご提案しています。
着地マット

長さ230cm/幅230cm/厚さ5cm。床に敷いて転がる・這う動きを行う、保育室での基本の1枚です。
ソフトマット

長さ180cm/幅150cm/厚さ20cm。転がる動きの衝撃を受け止める厚みがあり、幼児のクラスに向いています。
ソフトマット(二つ折り)

長さ200cm/幅150cm/厚さ20cmの二つ折りタイプ。立てて収納でき、毎日出し入れする部屋に向いています。
坂道(転補助具)

長さ180cm/幅90cm/高さ25cmの傾斜がついた補助具。這って登る・転がって降りる動きを引き出せます。
